「和室の畳をフローリングに変えたい」──
そんな声が年々増えています。
おしゃれな空間づくりやお手入れのしやすさ、家具配置の自由度など、フローリング化には多くのメリットがあります。
今回は、畳からフローリングにリフォームする際の方法・費用・注意点をわかりやすく解説します。
1. 畳からフローリングに変えるメリットとは?
畳のある和室は落ち着いた雰囲気で、座ったり寝転んだりと日本ならではの心地よさがあります。
しかし、近年ではライフスタイルの変化に伴い「畳をフローリングに変えたい」というご相談が非常に増えています。
特に、お掃除の手軽さ・見た目のスッキリ感・インテリアの自由度を求める方が多く、
和室をリビングや子ども部屋、寝室として活用するリフォームが人気です。
フローリング化の主なメリットを、もう少し詳しく見ていきましょう。
● 掃除が簡単・清潔を保ちやすい
畳はどうしてもダニ・ホコリ・花粉などの汚れが溜まりやすく、定期的な掃除や乾燥が欠かせません。
一方、フローリングは掃除機やモップをサッと掛けるだけで清潔をキープできます。
特に、ペットや小さなお子様がいるご家庭では、衛生面の安心感が大きなポイントになります。
最近は抗菌・防カビコートの施された床材もあり、毎日の掃除がぐっとラクに。
● 家具の配置が自由でレイアウトが広がる
畳の上に家具を置くと、脚の跡やキズが残りやすく、沈み込みも気になりますよね。
フローリングにすることで、ソファやベッド、デスクなどを自由に配置できるようになり、部屋の使い方の幅が一気に広がります。
また、キャスター付きチェアやワゴンもスムーズに動かせるため、模様替えや掃除も快適です。
リビング一体化の洋室リフォームにも最適です。
● 経年劣化が少なく、美しさが長持ち
畳は日焼けや摩耗で数年ごとの表替えが必要ですが、フローリングは耐久性が高く、
正しく施工すれば10年~20年近く美観を維持できます。
また、ワックス不要タイプの床材を選べば、メンテナンスの手間もほぼゼロ。
結果的に長期的なコストパフォーマンスにも優れています。
● 防音・断熱性能を高めて快適な空間に
「フローリングは冷たい」というイメージを持つ方もいますが、
最近の床材は遮音・断熱性能が大きく進化しています。
下地に断熱材や防音シートを組み合わせることで、冬は暖かく・夏はひんやり快適に。
さらに、マンションや2階の部屋では、遮音タイプの床材を選ぶことで下階への生活音を抑える効果も期待できます。
● デザイン・カラーの選択肢が豊富
フローリングにはナチュラルウッド・グレージュ・ウォルナット・ホワイトオークなど、
住まいのテイストに合わせた多彩なデザインがあります。
インテリアと統一したい方にとって、「見せる床」に変わる喜びも大きなポイントです。
2. 工事の方法と流れを解説
畳からフローリングへリフォームする際は、床の状態と目的によって施工方法が異なります。
ここでは代表的な2つの方法を詳しくご紹介します。
◎ 方法①:畳を撤去して下地から張り替える(本格リフォーム)
もっとも一般的で仕上がりが美しい方法です。
畳をすべて撤去して、床下の骨組みを確認・補強したうえで新しいフローリング材を張ります。
段差のないバリアフリー仕様にでき、見た目にもスッキリ。
耐久性・防音性・断熱性のすべてを高められるので、永く快適に使いたい方におすすめです。
施工の流れ:
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畳を撤去し、下地材(根太や合板)を確認
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必要に応じて補強・調整・断熱材の設置
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フローリング材の仮並べ・調整
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専用接着剤と釘で張り込み
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見切り材・巾木の取り付け、仕上げ清掃
工期の目安: 約1〜2日(6畳間)
メリット: 高耐久・仕上がりが美しい・床高さが均一
デメリット: 工事費用はやや高め、畳の処分が必要
おすすめの方:
・和室を完全な洋室にしたい
・将来的に長く使いたい
・家具を多く置く予定がある
◎ 方法②:畳の上にフローリングを重ね張り(簡易リフォーム)
畳を撤去せず、上から薄型フローリングを重ねて施工する方法です。
費用と工期を抑えられるため、賃貸物件や短期利用のリフォームに選ばれることが多いです。
ただし、畳の厚み分だけ床が高くなるため、段差ができやすい点に注意が必要です。
メリット:
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工期が短く、最短半日〜1日で完了
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畳の処分費がかからない
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解体を伴わないため騒音や粉塵が少ない
デメリット:
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床の高さが上がることで扉が干渉する場合あり
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畳の弾力が残り、沈みやきしみが出る可能性
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長期利用には不向き
工期の目安: 半日〜1日
費用の目安: 約4万〜8万円(6畳)
おすすめの方:
・賃貸や仮住まいで費用を抑えたい
・今ある和室を一時的に洋風化したい
3. 費用相場の目安|6畳間リフォームの参考価格と内訳
畳をフローリングにリフォームする際の費用は、
「施工方法」「床材の種類」「下地の状態」によって大きく変わります。
一般的に、6畳間を目安とした費用相場は8万~15万円前後。
ここでは、工事内容別の目安に加えて、コストを左右するポイントも詳しく解説します。
◎ 畳撤去+下地から張り替え(本格リフォーム)
費用相場:8万~15万円(税込)
工期の目安:1〜2日程度
畳をすべて撤去し、床の下地(根太・合板)から作り直す最も一般的な工事です。
耐久性や仕上がりの美しさが高く、段差のないバリアフリー仕様にもできます。
住宅の基礎がしっかりしていれば追加費用は少なく済みますが、
下地の傷みや湿気がある場合は補修・断熱材の追加が必要になります。
費用の内訳例(6畳の場合)
項目 | 内容 | 目安金額(税込) |
---|---|---|
畳撤去・処分費 | 1畳あたり1,000〜2,000円 | 約6,000〜12,000円 |
下地補修・調整 | 根太・合板補強、断熱材設置など | 約15,000〜30,000円 |
フローリング材費 | 材質やグレードによる | 約30,000〜70,000円 |
施工費 | 張り込み・巾木取付など | 約30,000〜50,000円 |
合計 | 約8万〜15万円前後 | — |
※無垢材や防音材を使用する場合は+3〜10万円ほどアップします。
◎ 畳の上からフローリングを重ね張り(簡易リフォーム)
費用相場:4万~8万円(税込)
工期の目安:半日〜1日程度
畳を撤去せず、その上から薄型フローリングを施工する方法。
解体が不要なので工期が短く、費用も抑えられるのが魅力です。
一方で、床の高さが上がることで扉や敷居との段差が生じる可能性もあります。
一時的なリフォームや賃貸物件におすすめの方法です。
費用の内訳例
項目 | 内容 | 目安金額(税込) |
---|---|---|
材料費 | 薄型フローリング材・防湿シート | 約20,000〜40,000円 |
施工費 | 既存畳上に張り施工 | 約15,000〜30,000円 |
見切り材・巾木設置 | 仕上げ調整 | 約5,000〜10,000円 |
合計 | 約4万〜8万円前後 | — |
◎ オプション費用(必要に応じて)
オプション内容 | 費用目安(税込) | ポイント |
---|---|---|
防音・断熱材の追加 | +2万〜5万円 | 2階やマンションにおすすめ。遮音等級LL45などを選べます。 |
床材グレードアップ(無垢・突板など) | +3万〜10万円 | 高級感・質感を重視する方に人気。木の温もりを感じられます。 |
下地補修(腐食・シロアリ対策) | +1万〜3万円 | 古い住宅では確認必須。強度と安全性を確保。 |
床暖房対応施工 | +5万〜10万円 | 寒冷地や冬の冷え対策に最適。対応床材を選ぶ必要あり。 |
巾木・見切り材の交換 | +5,000〜15,000円 | 見た目の仕上がりを整える重要なポイント。 |
◎ 費用を左右するポイント
-
床の下地の状態
湿気・傷み・たわみがある場合は補修が必要。
既存の畳下が傷んでいると、材料費だけでなく施工費も上がります。 -
使用する床材のグレード
一般的な合板タイプは安価ですが、天然無垢材や防音仕様は高め。
素材の見た目・質感・耐久性を重視するほど費用は上がります。 -
施工環境(階数・搬入経路)
マンションや2階以上の施工は搬入・防音対策が必要になりやすく、
戸建て1階よりも費用が1〜2万円高くなる傾向です。 -
地域差・施工会社の人件費
都市部と地方では人件費や処分費が異なります。
また、工事範囲が狭くても最低出張費が発生する場合があります。
◎ どのパターンが一番お得?
リフォーム目的 | おすすめ施工方法 | 費用目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
本格的な洋室化 | 畳撤去+下地施工 | 約10〜15万円 | 耐久性◎・段差なし・長期使用に最適 |
費用を抑えたい | 重ね張り施工 | 約4〜7万円 | 短期リフォーム向け・工期短い |
防音性を重視 | 下地施工+遮音材 | 約12〜18万円 | 2階・マンションにおすすめ |
デザイン重視 | 無垢材・突板仕様 | 約15〜25万円 | 高級感・自然素材派に人気 |
💡ワンポイントアドバイス
現地調査時には、**「段差」「床鳴り」「湿気」**の3点を必ずチェックしてもらうのが重要です。
見た目だけでなく、構造的に長く使える床にすることで、後々の修繕費を防げます。
4. フローリング材の種類と選び方
畳からフローリングへ変える際、
「どんな床材を選ぶか」はお部屋の快適性と耐久性を大きく左右します。
デザイン性だけでなく、使用する場所・家族構成・メンテナンスのしやすさに合わせて
最適な素材を選ぶことがポイントです。
ここでは代表的な4タイプの特徴と、選び方のコツを詳しく紹介します。
◎ 合板フローリング(複合フローリング)
最も一般的でコストパフォーマンスに優れたタイプです。
木の板を何層にも重ねて作られており、湿度や温度変化に強く反りにくいのが特徴。
表面には天然木の突板(薄くスライスした木)や化粧シートを貼っており、見た目は木の温もりを保ちながらもメンテナンスが簡単です。
メリット
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価格が手ごろ(1㎡あたり約3,000〜7,000円前後)
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色や柄のバリエーションが豊富
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床暖房対応タイプも多い
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反りや割れが少なく安定性が高い
デメリット
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無垢材に比べると質感・香りは控えめ
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傷がついた場合、深い補修は難しい
おすすめの家庭
→ 一般的な戸建て・マンション、子育て世帯、コスパ重視の方
◎ 無垢フローリング
天然木をそのまま1枚板で使用した高級タイプ。
木の香りや質感、足触りの柔らかさが魅力で、経年変化により味わいが深まります。
自然素材志向の方や、リビングや寝室など心地よさを重視したい場所におすすめです。
メリット
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天然木の風合い・香り・温もりが感じられる
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経年変化を楽しめ、使うほどに艶が出る
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吸放湿性があり、夏はさらっと冬は暖かい
デメリット
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湿気に弱く、膨張・収縮しやすい
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メンテナンス(ワックス・オイル塗装)が必要
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価格がやや高め(1㎡あたり約7,000〜15,000円)
おすすめの家庭
→ 自然素材にこだわりたい方、ナチュラル・北欧風インテリアが好きな方
◎ 防音フローリング
マンションや2階の部屋など、下階への生活音を軽減したい場合に最適です。
フローリングの裏面にクッション層があり、歩行音や物音を吸収します。
遮音等級(LL-40、LL-45など)で性能が分類されており、建物の規定に合ったタイプを選ぶ必要があります。
メリット
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下階への音の伝わりを軽減
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歩行時の衝撃を吸収し、足腰にも優しい
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防音性能とデザイン性を両立した製品も豊富
デメリット
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クッション層により、やや弾力が強い
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施工コストが高め(+2万〜5万円程度)
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重量物を置くと凹みやすい場合も
おすすめの家庭
→ マンション住まい、2階リビング、子ども部屋の防音対策をしたい方
◎ クッションフロア・フロアタイル
塩ビ素材(ビニル系)でできたシート状またはタイル状の床材。
木目・石目などリアルな質感を再現でき、耐水性・防汚性に優れています。
軽量で施工が簡単なため、賃貸物件やDIYリフォームでも人気です。
メリット
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低コスト(1㎡あたり約2,000〜4,000円)で施工可能
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水や汚れに強く、キッチン・脱衣所にも◎
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張替えや補修がしやすい
デメリット
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本物の木に比べると質感がやや人工的
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家具の跡がつきやすい
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長年の使用で表面が剥がれることも
おすすめの家庭
→ 賃貸、コストを抑えたい方、ペットや水回り中心のリフォームに
💡床材選びのポイントまとめ
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「見た目の質感」+「メンテナンス性」+「使う場所」をトータルで考える
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リビング:デザイン重視で無垢や高耐久合板を
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寝室:柔らかめ素材で快適性を重視
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子ども部屋・2階:防音フローリング
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水回り:クッションフロアや耐水合板タイプ
理想の空間イメージを施工前に共有することで、見た目も機能も満足できる床リフォームが実現します。
5. 畳からフローリングへリフォームする際の注意点
フローリングへの張り替えは見た目が大きく変わるリフォームですが、
「見た目重視」で進めてしまうと、後々トラブルになることもあります。
施工前に以下のポイントをしっかり確認しておくと安心です。
◎ 床下の湿気対策を忘れずに
畳の下は意外と湿気がこもりやすく、カビやシロアリの原因になることも。
フローリング化する際は、断熱材や防湿シートを敷き込むことで通気性と耐久性を確保します。
特に築年数の経った木造住宅では、下地の腐食チェックも重要です。
💡ワンポイント:
床下点検を兼ねて防湿処理を行うと、結露・冷え対策にも効果的です。
◎ 段差をできるだけ少なく
和室を洋室化するときに気をつけたいのが「床の高さ」。
畳と廊下・他の部屋の床高が異なるため、そのまま施工すると段差が生まれるケースがあります。
見た目の美しさだけでなく、転倒防止・バリアフリー性の面でも高さ調整は必須です。
💡アドバイス:
特に高齢の方やお子様がいるご家庭では、1cmの段差でもつまずきの原因になります。
◎ 素材選びに注意
ペットを飼っている場合や、小さなお子様が走り回る家庭では、滑りにくく傷がつきにくい床材を選ぶのがポイントです。
最近は「滑り防止加工」「防キズコート」など、機能性の高い製品も豊富。
また、日当たりの良い部屋では日焼けによる色あせも考慮して、UVカット加工タイプを選ぶと長持ちします。
💡ペット対応タイプの特徴
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爪キズに強い特殊コーティング
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水やおしっこが染み込みにくい表面加工
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滑りにくいマットな質感で安心
◎ コンセント位置もチェック
畳の部屋から洋室に変えると、家具配置や家電のレイアウトが大きく変わることがあります。
このタイミングでコンセントの増設・移設を検討するのもおすすめ。
特にベッドやデスクを置く場合、壁の電源位置を変えるだけで使いやすさが格段に上がります。
💡例
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ベッド横にスマホ充電用コンセントを設置
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デスク下にコードを隠す配線ボックスを設ける
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床下配線でスッキリした空間を演出
◎ その他の注意点まとめ
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床材の厚みを考慮し、扉の開閉に支障がないか確認
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マンションの場合は管理規約で床材の遮音等級(LL45など)を確認
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色味は自然光・照明光での見え方の違いも考慮
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リフォーム後の家具搬入経路も事前にチェック
🌿まとめ:素材と環境に合わせた計画が成功のカギ
フローリング化は「見た目の美しさ」「快適性」「安全性」を同時に高める工事です。
しかし、家の構造や環境条件に合わせた施工計画を立てることが重要。
リフォーム会社としっかり打ち合わせを行い、
“使いやすく長持ちする床”を目指すことが、満足度の高い仕上がりにつながります。
6. 施工事例:和室からナチュラルモダンな洋室へ
Beforeは畳敷きで、落ち着いた雰囲気ながらも少し暗さを感じる和室。
今回は、畳をすべて撤去し、明るいオーク調のフローリングに張り替えました。
壁も白を基調としたクロスに変更することで、部屋全体がぐっと開放的でナチュラルモダンな印象に。
Before(リフォーム前)では、和の雰囲気が強く家具配置にも制限がありましたが、
After(リフォーム後)では、木目のフローリングとシンプルな収納扉が調和し、
「どんな家具でも合わせやすい洋室空間」 に生まれ変わりました。
お客様からは、
「掃除がしやすくなって、部屋が明るく見える!」
「もっと早くリフォームしておけばよかった!」
との嬉しいお声をいただいています。
掃除・メンテナンスがラクになり、空間の印象が一新される人気のリフォームです。
7. まとめ:畳からフローリングで快適・おしゃれな住まいへ
畳からフローリングへのリフォームは、見た目・機能性・清潔さのすべてを向上させる工事です。
生活スタイルに合わせて最適な施工方法や素材を選べば、居心地の良い空間が実現します。
お部屋の印象を変えたい方、掃除を楽にしたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
経験豊富なスタッフが、最適なプランをご提案いたします。