1. RCハウジングの外壁仕様の特徴と注意点
RCハウジングの住宅は、鉄筋コンクリート造(RC造)を採用している点が大きな特徴です。
RC造は耐震性・耐久性に優れ、「丈夫で長持ちする家」というイメージを持たれやすい構造です。
一方で、RCハウジングの住宅では、外壁の仕上げとして塗装仕上げや吹付仕上げが多く採用されています。
そのため、建物の寿命は構造体そのものよりも、外壁塗膜や防水性能の維持状態に大きく左右されます。
RC造は、内部に水分が入り込むと乾きにくい構造です。
そのため、外壁表面や防水層の劣化を放置すると、目に見えない部分で劣化が進行しやすい点には注意が必要です。
完成直後は問題がなくても、築年数が経過するにつれて外壁と防水の管理が重要になってくる住宅だといえます。
2. よくある外壁トラブルと原因
RCハウジングで建てた住宅の相談で多いのは、「構造は大丈夫そうだが、外壁に不安が出てきた」という内容です。
RC造特有のトラブルは、突然大きな不具合が起きるのではなく、小さな劣化が徐々に積み重なっていくケースがほとんどです。
2-1. 目地の劣化によるひび割れ
RCハウジングの外壁では、外壁の取り合いやサッシ周りにシーリング材が使用されています。
この目地部分は、紫外線や温度差の影響を強く受け、築10年前後で硬化やひび割れが発生しやすくなります。
目地が劣化すると、雨水が外壁内部へ侵入しやすくなり、RC造の場合はコンクリート内部に水分が溜まりやすくなるため注意が必要です。
2-2. 外壁塗膜の劣化・剥離リスク
RCハウジングの住宅では、外壁塗装によって防水性能を確保しています。
塗膜が劣化すると、防水性が低下し、コンクリートが直接雨水の影響を受ける状態になります。
チョーキング(白い粉が付く現象)や色あせ、塗膜の浮きや剥がれは、防水性能が低下し始めているサインです。
2-3. 白華(エフロレッセンス)の発生原因
RC造住宅で見られやすいのが、白華(エフロレッセンス)と呼ばれる白い粉状の汚れです。
これは、コンクリート内部の成分が水分とともに表面へ染み出してくる現象です。
白華自体がすぐに危険というわけではありませんが、水分が内部を通過している証拠であるため、放置はおすすめできません。
2-4. 雨だれ汚れやカビ・苔の繁殖
RCハウジングの住宅は、外観デザインに凹凸があるケースも多く、サッシ下や庇の下、換気フード周辺で雨だれ汚れが発生しやすい傾向があります。
また、北面や日当たりの悪い場所では、カビや苔が繁殖することもあり、湿気が滞留しているサインとして注意が必要です。
2-5. 地震・振動による構造的影響
RC造は耐震性に優れていますが、地震や日常的な振動によって、外壁表面のひび割れや目地部分に負荷がかかることは避けられません。
構造的に問題がなくても、外壁の防水ラインが崩れることで雨水侵入のリスクが高まるケースがあります。
3. リフォーム会社での対応事例
RCハウジングの住宅では、外壁や防水に不安が出てきた際に、「全面改修が必要なのか」「部分補修で十分なのか」を正しく見極めることが非常に重要になります。
RC造は構造自体が非常に強固なため、外壁や防水に劣化が見られても、すぐに建物全体へ深刻な影響が出るわけではありません。一方で、劣化を放置すると内部に水分が滞留し、後になって大きな補修工事が必要になるケースもあります。
そのためRCハウジングの住宅では、現在の劣化状況を正確に把握し、「今、どこに手を入れるべきか」を冷静に判断することが、住まいを長持ちさせるうえで欠かせません。
3-1. ひび割れ補修の具体的な方法
RCハウジングの住宅で多く見られるのが、外壁表面に発生する細かなひび割れです。これらの多くはヘアクラックと呼ばれるもので、すぐに構造へ影響するケースは多くありません。
ただし、ひび割れの位置や深さによっては、雨水の侵入口となる可能性があるため注意が必要です。特にサッシ周りやバルコニー下部などは、水が集まりやすく、慎重な判断が求められます。
補修方法としては、ひび割れ部分を清掃・下地処理したうえで、専用の補修材を充填し、表面を保護する方法が一般的です。見た目だけで判断せず、内部まで達しているか、水の通り道になっていないかを確認することが重要です。
3-2. 目地の打ち替え・再充填工事
RCハウジングの住宅では、外壁の取り合いやサッシ周りなどにシーリング材が使用されています。このシーリング材は紫外線や温度変化の影響を受けやすく、築10年前後で硬化やひび割れが発生しやすくなります。
劣化したシーリング材を放置すると、目地部分から雨水が侵入し、外壁内部やコンクリート内部へ水分が回る原因となります。RC造の場合、内部に入った水分が抜けにくいため、早めの対応が重要です。
工事では、既存のシーリング材を撤去し、下地処理を行ったうえで高耐久のシーリング材を再充填します。目地の防水性能は建物全体の寿命に直結するため、丁寧な施工が欠かせません。
3-3. 部分補修と再塗装の流れ
RCハウジングの住宅では、すべての外壁を一度に改修する必要がないケースも多く見られます。劣化が進んでいる箇所のみを補修し、状態を見ながら段階的に再塗装を行うことで、費用負担を抑えながら建物を維持することが可能です。
一方で、外壁全体の塗膜が劣化している場合には、再塗装によって防水性能をまとめて回復させる方が合理的なケースもあります。
重要なのは、「今、何を優先すべきか」を建物の状態に合わせて判断することです。必要以上に工事範囲を広げないことが、将来の大規模改修を防ぐポイントになります。
3-4. 防水コーティングで耐久性を高める方法
再塗装や補修工事の際には、使用する塗料や防水材の選定が非常に重要になります。RC造住宅では、防水性だけでなく、内部の湿気を逃がす透湿性も求められます。
防水性能だけを重視した材料を使用すると、内部に湿気がこもり、別の劣化を引き起こす原因になることもあります。建物の立地条件や日射条件、外壁の状態に合わせた材料選びが、RC造住宅の耐久性を高めるポイントです。
3-5. 高圧洗浄と防カビ施工事例
外壁に付着した汚れやカビ、苔は、見た目の問題だけでなく、外壁表面に湿気が滞留しているサインでもあります。RCハウジングの住宅では、北面や日当たりの悪い場所、外壁に凹凸がある部分で汚れが溜まりやすい傾向があります。
高圧洗浄で汚れを除去したうえで、防カビ・防藻処理を行うことで、再発を抑えることができます。定期的な洗浄と処理は、外壁環境を健全に保ち、結果的に大きな修繕を防ぐことにつながります。
4. ハウスメーカーと地域リフォーム会社の違いと使い分け
RCハウジングの家に住んでいる方が悩みやすいのが、外壁や防水に不安が出たとき、どこに相談すればよいのか分からないという点です。
4-1. ハウスメーカーに依頼するメリット・デメリット
ハウスメーカーに依頼するメリットは、当時の設計意図や仕様を把握している点にあります。一方で、補修内容が画一的になりやすく、全面改修を前提とした提案になるケースも少なくありません。その結果、費用が高額になりやすい点には注意が必要です。
4-2. 地域リフォーム会社に依頼するメリット・デメリット
地域リフォーム会社は、建物の状態を見ながら必要な部分だけを補修する柔軟な対応が可能です。費用を抑えつつ、現実的なメンテナンス計画を立てやすい点が強みです。ただし、RC造への理解度は業者によって差があるため、実績の確認が重要です。
4-3. 両者を賢く使い分けるポイント
保証が残っている範囲はハウスメーカー、外壁補修や防水工事はRC造に対応できる地域リフォーム会社というように、役割を分けて考えるのが現実的です。状況に応じて使い分けることが、無理のない住まい管理につながります。
5. サンユウならではの対応方法
サンユウでは、RC造住宅の特性を理解したうえで、外壁や防水の状態を丁寧に調査し、現在の状態に合った補修方法を提案しています。全面改修を前提とせず、部分補修や段階的なメンテナンスを組み合わせ、費用面と耐久面の両立を重視しています。
RCハウジングの家に住んでいて、「このままで本当に大丈夫なのか分からない」と感じている方にとって、今の状態を正しく知ることは、将来の安心につながる第一歩です。
