へーベルハウスは、ALCコンクリート外壁「へーベル板」を特徴とする、耐火性・耐久性・遮音性に優れた住宅で知られています。高層ビルにも使われるこのALC外壁材は、他の住宅メーカーと一線を画す存在感を持ち、重厚感ある外観とともに高い安全性を提供します。
しかし、どれほど性能の高い外壁材であっても、経年劣化や立地条件、施工時のディテール次第で不具合が発生することもあります。今回は、築10年前後から増え始めるヘーベルハウスの外壁に関するトラブルと、地域のリフォーム会社だからこそできる対応策について詳しく解説します。
目次
高い断熱・耐火性能
遮音性にも優れる
高耐久仕様
外壁の意匠性
ALC特有の吸水性
1. 目地シーリングのひび割れ・硬化
2. 塗膜の劣化(チョーキング現象・色あせ)
3. ALCパネルのひび割れ・浮き
4. サッシ・換気口まわりの雨仕舞不良
ヘーベルハウス住宅の外壁仕様と特徴
ヘーベルハウスの大きな特徴は、独自開発された「へーベル板」と呼ばれるALC(軽量気泡コンクリート)パネルです。このパネルは、通常のコンクリートとは異なり、細かな気泡を内部に多く含む構造を持っています。この構造により、以下のような高性能が実現されています:
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高い断熱・耐火性能
気泡構造によって空気層が多く含まれ、優れた断熱性を発揮。また、コンクリート由来の不燃材のため、火災にも非常に強く、隣家からの延焼リスクも軽減できます。
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遮音性にも優れる
素材密度が高く、かつ厚みのあるパネル構造により、道路や近隣の騒音を大幅に遮断。静かな住環境を実現します。
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高耐久仕様
ALCは耐久性に優れ、理論上は30年以上の寿命があるとされます。ただし、パネル同士のつなぎ目に使われているシーリング材や、表面の塗膜は経年劣化するため、定期的なメンテナンスが必要です。
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外壁の意匠性
ヘーベル板の模様やカラーは工場塗装されたものも多く、美しく均一な仕上がりとなっていますが、紫外線や雨風の影響により、色あせやチョーキングなどの劣化現象も発生します。
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ALC特有の吸水性
ALCパネルは多孔質のため、塗膜が劣化すると雨水を吸い込みやすくなる性質があります。これが放置されると、内部の断熱材や鉄骨部材に影響を与えるリスクもあります。
つまり、へーベルハウスの外壁は本体性能が非常に高いものの、「目地シーリング」や「表面塗膜」といった周辺部材のメンテナンスを怠ると、防水性や耐久性を著しく損なう恐れがあります。
よくある外壁トラブルとその対処法
1. 目地シーリングのひび割れ・硬化
へーベル板とへーベル板のつなぎ目には、建物の揺れや温度変化を吸収するためのシーリング材が使われていますが、紫外線・雨・寒暖差にさらされることで、10年前後でひび割れ・剥離・硬化などの劣化が見られます。
対応策:
- 既存シーリングの完全撤去と打ち替え
- 耐候性・可塑性に優れた高耐久シーリング材への変更
- 足場工事と組み合わせ、塗装と同時に行うことでコストを削減
2. 塗膜の劣化(チョーキング現象・色あせ)
外壁に触れると白い粉が手につく「チョーキング現象」は、塗膜の劣化が進んでいるサインです。この状態になると防水性が低下し、ALC内部に水が浸入するリスクが高まります。
対応策:
- 高圧洗浄による旧塗膜・汚れの除去
- 下地処理後、長寿命塗料(無機・フッ素・ラジカル制御型)の再塗装
- 耐候性に加え、汚れが付きにくい塗料の選定も可能
3. ALCパネルのひび割れ・浮き
ALCは強度に優れていますが、構造の歪みや強風・地震の影響により、ひび割れ(ヘアークラック)や浮きが発生することもあります。
対応策:
- クラック補修(フィラー充填・Uカットシール工法)
- パネル浮きの固定、必要に応じたアンカー補強
- 張り替え部と既存部の色・質感の調整による美観の維持
4. サッシ・換気口まわりの雨仕舞不良
開口部まわりは施工精度や部材の劣化によって隙間ができやすく、雨水が侵入して内部腐食やカビの原因になることもあります。
対応策:
- 接合部の精密点検と再シーリング
- 必要に応じた部材交換・雨仕舞設計の改善
地域のリフォーム会社ならではの対応メリット
へーベルハウスは、独自構造と部材によって高い性能を発揮する住宅ですが、10年目以降のメンテナンスは有償となり、対応内容も「全体塗装」「全シーリング打ち替え」といった大規模なものに偏りがちです。
一方、地域密着型のリフォーム会社では、下記のようなメリットがあります:
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部分補修に対応
劣化状況に応じて、必要な部分だけの施工で済む場合が多く、無駄な工事費を省ける
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現地調査重視の柔軟な提案
赤外線カメラや打診棒による精密な点検で、見えない劣化箇所まで把握
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素材・塗料の選定に柔軟性あり
最新の塗料や高性能シーリング材から、住宅ごとに最適な組み合わせを選定可能
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地元気候への対応ノウハウ
湿気・寒暖差・風向きなど、地域特有の外壁ダメージの傾向を踏まえた施工が可能
とくに足場が必要な工事(シーリング打ち替えや塗装など)は同時に行うことで、工期・費用の最適化が図れます。
サンユウならではの強み
私たち「株式会社サンユウ」は、豊川市・豊橋市を中心とした東三河エリアで、数多くの外壁メンテナンスを手がけてきた専門会社です。
ハウスメーカー住宅への対応実績も豊富で、へーベルハウス特有の構造・外壁仕様に関しても、数々の現場でのノウハウを持っています。
サンユウの具体的な強み
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診断力の高さ
:赤外線カメラや打診検査を使った詳細な劣化診断により、施工の必要性や緊急度を的確に把握します。
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部分補修の柔軟さ
:ハウスメーカーでは対応しづらい「一部補修」や「再塗装のみ」といった要望にも柔軟に対応。
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見積もり時の丁寧な説明
:工事内容・素材の選定理由・耐久年数など、専門知識がなくても分かるよう丁寧に説明。納得してから工事へ進めます。
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美観と耐久性の両立
:既存の色合いや外観デザインに合わせた施工で、補修後の違和感を最小限に抑えます。
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アフターフォローの安心感
:施工後も1年・3年・5年・10年の定期点検制度を導入し、長く安心できる住まいづくりをサポート。
また、へーベルハウス特有のパネルサイズや目地幅、工場塗装仕上げの再現といった細部にこだわる必要がある工事にも対応可能です。単なる修繕ではなく、長期的なメンテナンス計画を見据えたご提案ができるのも、地域密着型リフォーム会社・サンユウの強みです。
まとめ|10年を過ぎたら“防水性能の見直し”を
ヘーベルハウスの外壁は、住宅業界でもトップクラスの耐久性・防火性・断熱性を誇ります。しかし、目地や塗膜などの周辺部材は時間とともに劣化し、見た目には分かりづらいトラブルの原因となることも。
築10年を迎えるタイミングは、住宅の防水性・耐久性を見直す絶好の機会です。「大きな問題が起きる前に対策をとっておく」ことで、大規模修繕を避け、長く快適な住まいを維持することができます。
気になる症状がある方、前回の点検から時間が経っている方は、ぜひ一度、サンユウまでご相談ください。調査・見積もりは無料ですので、安心してご依頼いただけます。